停止と再生

時間の無い場所に孤独に閉じめられ
明日も昨日もいつの間にか去っていた


明日の朝も昼も夜もあまり好まない体温で

何一つ変わらない風景に切り取り線入れて
破り捨てたくても
そこまでの決意も一人じゃできなくて

ただただ毎日水溜まりの中に身体沈めていた


・・・
そこの場所で待ち構えていたかのように
そのつもりで、
時計の針を戻してくれる音があまりにも
優しくて触れていたい欲は未だにあって

一瞬だと知りながら
認識したらまた無くしてしまうと知りながら
それでも一瞬に一生かけてその優しい音に
包まれていたかった


眩しい日差しが曇りばかりの日をかき消す
少しだけ歩けてるかな
少しだけ声を上げれるようになってるかな

目に見えるものも耳で聞こえるものも
少しだけ変わったかな
まだ分からないけど

一つだけ分かるのはやっぱり私はあの瞬間の
丁寧でも雑でもない土足のような素足のような
優しい音を忘れられないでいる

それはここに来る度思い出す
動き出した時計の針と共に思い出す

TATEUCHI MIHO

舘内 美穂 女優/ 脚本家/ m sel.プロデュース主宰

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